●採取した状態の顔ダニは脂肪と混じった状態で、水を使ってマウントしようとしても水の中に分散しない。 |
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そのままだと、脂肪だの産毛だのゴミが多いので、1匹ずつ釣り上げ、きれいなマウント液のなかに移動させて写真を撮影している。 釣り上げには、下の写真のような「超精密ピンセット」や「マユゲを楊子に貼り付けたもの」を使い、40倍の顕微鏡下で操作をおこなっている。 幼虫・第一若虫は柔らかいのでマユゲに引っかけて釣り上げることができるが、体がしっかりとしている第2若虫・成虫や引っかけるこのできない卵などはピンセットでマウント液ごとすくい取って移動。 しかし、ピンセットを使うとゴミもいっしょに持ってきてしまうし、ダニをつぶしてしまうこともあるのでなかなか難しい。また、極細のピンセットとはいえ、光学顕微鏡下では大きいので、液が移動して卵などでは見失ってしまうことも多い。 そして何といっても問題なのは、上下逆さまの像を見ての作業。実体顕微鏡を買っちゃおうかと思案する今日この頃…。 |
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顔ダニの観察を何回かしていて気づいたのだが、観察中に顔ダニが萎んでいく。 成虫や第2若虫については、外骨格がしっかりしているせいか、あまり変化は見られないが、幼虫と卵については、しばらく置いておくと、見るも無惨な有様になる。特に卵にいたってはモヤモヤしたカスみたいなものになってしまう。 原因としては、マウント液として使っているサラダ油が顔ダニに影響を与えていると思われるので(というか、それ以外の原因が思いつかない)他の油も試してみることにした。 特に動物質の油について試してみたいということで、常温で液体の動物性油というのを探していたら、たまたま民間薬の「馬油」を見つけた。一般のものは常温では軟膏状だが、融点の低い成分を精製したものがあり、さっそくこれをネットで取り寄せてみた。 さらに、これまた、たまたま家にあった化粧用のホホバオイルも試してみることに。 結果・サラダ油幼虫、卵については30分くらい(気温によって進行速度が異なるようである)から胸部が萎みはじめ、1時間後には腹部まで萎んだ。 ・馬油(ばーゆ) 1時間程度では目立った変化はなし。2時間あたりからやや萎みはじめ、3時間後にははっきり分かるくらい胸部が萎んだ。また、卵や孵化したばかりの幼虫については、3時間後には死滅していた。 ・ホホバオイル(化粧用) サラダ油と同等。ただ透明度が高いので、光学性能はこっちが上か(笑)。 ということで、植物油2種に比べ、動物質の馬油が顔ダニに与えるダメージが若干少ないことが分かった。 今回使った馬油は融点の高い成分を精製したものなので、組成が普通の獣脂と比べかなり違うということは言えると思う。検鏡は難しいが、次回は普通の馬油を使って萎むかどうか実験してみたい。 ※顔ダニの萎縮については温度もかなり影響する。今回の実験では室温20℃程度でおこなったが、5℃程度の場合はサラダ油でも1時間以上原型を保っていた。 |
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●サラダ油によるマウント
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●馬油によるマウント
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